i・MODE→  

 

 

ランダムは秩序を生み出さない2

 

>> 原始の地球において大海の中で前生命物質が誕生し、それが生命に

>>なる過程において、非生命の状態は長く続いたんだろう?

>> じゃあ、その期間において、非生命であるCGとその「前生命物質」

>>との間において状況はどういうふうにチガウのだろうか。

>

> 化学反応における「起こりやすさ」、あるいは触媒や温度を始めとする

>「環境要因」、かな。CGにはそのような「性質」による確率的な差とい

>うものはない。

> 少なくとも、性質の差が存在期間や物質自体の次の「変化」に影響

>する「前生命物質」の方が、そのような要素がまったくないCGの

>ランダムドットよりは遥かに「生物的」とは言えるかもしれない。

 

 

 どのような環境要素であっても、あくまでもランダムに作用するので、それが進化に役立つか役立たないかは分からないということを忘れてはいけない。

 

 <化学反応における「起こりやすさ」、あるいは触媒や温度を始めとする「環境要因」>なんて、別に意思を持っているわけじゃない。

 つまり、進化を助けようなんて考えてないのだ。

 そういった意思を持ってない以上、どのような「環境要因」であっても、あくまでもランダムにしか働かないので、それが進化に役立つかどうかは分からないわけ。

 

 進化に適するように働くか進化を妨げるように働くかはランダムだ。

 

 つまり、「ランダムによる進化」の呪縛からは逃れられない。

 

 これをCGのランダムドットに適用すると、形をなさないぐちゃぐちゃの画像データに、どんなにランダムな変化を加えても、ぐちゃぐちゃのままであるということだ。

 

 きれいな富士山の絵ができる可能性はゼロだ。

 

 つまり、君の言う「環境要素」がランダムにしか作用しない以上、CGの画像データの変化の例とまったく変わらないのだ。

 

 くどいようだがまた同じことを繰り返して言いたくないのでつけ加えるが、混沌から秩序を生み出すには、負のエントロピーを加えなければならない。

 秩序は放置すると無秩序に向かう。仮にある空間の中に一列に並んだ気体分子があったとしても、放置すればそれらはその空間の中に均質に分散してその逆にはならない。それは、気体の分子の運動の方向性が不定でランダムだからだ。

 

 このようにランダムは負のエントロピーではない。

 

 ランダムは秩序を生み出すのではなく、逆に混沌を生みだし、均質化するだけである。

 

 ここから、

 

 前生物物質+α(負のエントロピー)→生物 という図式は成立するが、

 

 前生物物質+α(正のエントロピー)→生物 という図式は成立しない、と言えるだろう。

 

君の言う「環境要素」はあくまでもランダムでしかなく、混沌に逆らえるだけの負のエントロピーを持つものでない以上、αのところに、<ランダムにしか作用しない環境要素>を入れても、右辺が生物にはなることはないのだ。