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キリストはいつ誕生されたか?

 キリストが誕生されたのは、仮庵の祭(かりいおのまつり;9〜10月頃)だった。

 それは、聖書の記述からはっきりと分かる。

 ルカ福音書では、イエスの誕生の半年前にバプテスマのヨハネが誕生したことが記されている。

 ヨハネの父ザカリヤは、アビヤの組の祭司だった(1・5)。

 アビヤの組の祭司は、第8組に属し、イスラエル神殿での奉仕は、ユダヤ暦第4の月の後半に定められていた(第1歴代誌24・7ー19に、神殿で奉仕する祭司の当番表が記されている。)

 祭司ザカリヤの妻エリサベツがヨハネを懐胎したのは、「務めの期間が終わったのち」(1・23)であった。つまり、ユダヤ暦第5の月のはじめであった。

 それから5カ月後、彼女が妊娠6カ月目に入ったときに、イエスの母マリヤがみごもった(1・24−26)。つまり、ユダヤ暦第10の月(グレゴリウス暦12−1月)であった。

 そして、「月が満ちて」イエスが誕生された(2・6)。これは、エリサベツと同様約9カ月であった(1・56−57、2・6)。つまり、イエスが誕生されたのは、ユダヤ暦第7の月(グレゴリウス暦9−10月)であることがわかる。

 さて、この第7の月には、仮庵の祭りが行われていた。

 イエスの誕生の時期を仮庵の祭りの頃とすると、聖書の他の記述と調和する。

(1)野営していた羊飼いたちの前にイエスの誕生を知らせる御使いが現れるが、太陽暦の12月25日頃には野営は行われない。ユダヤの口伝律法ミシュナーによれば、牧童たちが野営できる季節は、初めの雨(秋の雨;申命記1・14、ヨエル2・23)までの期間であり、11月以降は、寒さのために野営しないと記されている。

(2)仮庵の祭りの時期、人々は祭りを祝うために全国からエルサレムに上京した。エルサレム近郊の町ベツレヘムには、多くの上京者が宿をとっていたため、マリヤは馬小屋で出産せざるを得なかった。

(3)「仮庵(σκηνη)」の動詞形「仮に宿る(σκηνω)」は、ヨハネ福音書においてイエスの受肉を表す言葉として使用されている。

 「また、ロゴスは肉体となり、わたしたちの間に仮に宿られた(εσκηνωσεν)。」(1・14)

(4)「仮庵(σκηνη)」のヘブル対応語 mishkan は、旧約聖書の「幕屋」を意味する。幕屋は、イスラエルが出エジプトの際に神礼拝を行った場所であり、パレスチナ定住後、ソロモンの時代に神殿となった。

 新約聖書において、イエスの肉体こそが真の幕屋、神殿であるとされている(マタイ26・61、マルコ14・58)。

 キリストの誕生日が12月25日とされたのは、紀元4世紀ローマ皇帝コンスタンチヌス帝がニケア宗教会議においてであり、当時祝われていたローマ太陽神の冬至祭、タンムズ神の祭日である土星祭をすたれさせ、キリスト教の祭りを栄えさせる意図があったものと思われる。

 したがって、1月1日がキリストの割礼日とすることも誤りであると言えるのである。

(参考文献:レムナント紙1999年1月号)






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