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これは私が導入の部分について作った教本です。ピアノの教材には楽しいものがたくさんあるのに(バスティン、バーナム等)、ヴァイオリンの教本は昔から少しも変わっていません。またヨーロッパの教本は先生と生徒の合奏が基本になっているのに、日本の教材はソロのみであるということに疑問をもって、私は自分の生徒のために自作の教本を作りました。生徒向けの大きい本(A4版)と自宅で母親(もちろん父親でも良いのですが.....?)が参考にできるような解説書(B5版)の2冊がセットになったものです。曲も色々なジャンルの曲を使っています。3冊でポジションの導入のところまでというつもりで作っています。 子供を教えていらっしゃる方で教材に関心のある方は是非ご意見をお聴かせ下さい。DTPでやれば教材は自分でも作れます。固定した教材ではなく、その生徒に合わせた教本もやりようによっては作れます。メールをお待ちします。 |
「大人から始めるヴァイオリン」というホームページを見ていて、教える側からどう見えるのかということを書こうと思いました。確かに教える側に大人の初心者にどう教えるかという観点が欠如しているでしょう。ですがこの点について言うとヴァイオリンを習うのに大人も子供もないのです。確かに大人には子供にない理性が備わっています。そして色々なことを子供よりはるかに理解できるのは本当です。
ですがそのことは実際に演奏するときには何の手助けにもならないのです。これは大人を教えていていつも思うのですが、大人は子供のようにある曲を全体として自分のものに消化するようには練習しないのです。かなり弾ける人でも音符一つ一つをその場で読みながら弾いていこうとしているのです。人間のある出来事に対する反応速度(気がついてから反応するまでの時間)はせいぜい速くて0.2〜0.3秒でしょう。すると1秒間に速くて音符5つにしか反応できません。それにさらに自分の出した音を聴いてそれを評価することまで考えるとちゃんと反応できるのは1秒に2ないし3ヶの音です。すると四分音符が1分間に60の速さの曲で八分音符にしか反応できないということなのです。これではどんな曲でもちゃんと弾けません。つまり音符一つ一つに反応するのではなく、フレーズ単位
に条件反射のように弾けるようになっていなければ曲にはならないということなのです。大人は子供に対して反応は遅いのだから子供以上にある部分を丸ごと弾けるように練習しなければいけないのです。
この反応速度というのは運転免許を取るときにだれしも聞いている話だと思いますが、ヴァイオリンの演奏にも同じ原理が当てはまります。ですから子供と同じように何度も反復練習して丸ごと覚える(暗譜する)ようにしなければ絶対に進歩しません。そこを何か薬があってそれを飲むと要領でクリアーできるというようなうまい話はないのです。(大体そんなうまい話があるのなら毎日それで苦労している我々プロはもっと巧くなれます)楽しみに弾くのなら別
に構いませんが、上手になりたいのなら子供と同じにやることです。(会話だって子供の方が知恵のあるはずの大人より速く覚えます)
上達のこつは「簡単で単純なことを馬鹿にしないで何回も繰り返す」です。そうやっているときに子供と違って大人は理性で自分の長所欠点に気がついて、人に言われなければ気がつかない子供と違って、自分で直していけるのです。そこに子供との違いが出るのです。そこまでの反復練習の部分を大人だからといってバイパスして通
る上手い抜け道はありません。