98年11月中国演奏旅行


98年11月25日〜12月1日の中国演奏旅行のライブレポートです。


今回の旅行のスケジュール
11月25日(水) 旅行日(成田→北京)
11月26日(木) 練習
11月27日(金) 練習
11月28日(土) 北京世紀劇場演奏会
11月29日(日) 旅行日(北京→上海)
11月30日(月) 上海大劇院演奏会
12月01日(火) 旅行日(上海→成田)


12.1

 いろいろあった中国旅行もやっと終わり、今は帰国の途についています。上海の空港は霧がすごく定刻に飛ぶか不安でしたが、ほぼ定刻に離陸しました。成田まで2時間15分ということで、とても近いです。今回の演奏旅行は政治的には大成功でしょうし、これからクラシック音楽が浸透していくであろう中国にこの時期に行ったことはとても意味があるのでしょう。北京の演奏会が人民日報の第1面で取り上げられたということを見てもそういえると思います。
 そういう観点とは別に演奏会としてみると、いくつか問題点があります。最初の問題はホールの状況が日本と違いすぎることです。まだ大きい編成のオーケストラを扱い馴れていない中国では私のようなセカンドヴァイオリンの位置だと不都合ばかり目に付きます。またお客さんがピアニッシモの音楽を聴く作法が分かっていないので、2度ともペトルーシュカの終わりで大きな咳払いがあったり、演奏中に歩き回る人が何人もいたり演奏会の作法としてはまだまだです。演奏中の携帯の呼び出し音など少しも注意していません。でもこういうことはクラシックが浸透していく過程では当然通り過ぎなくてはいけない関門でしょう。
 また我々演奏するサイドでのクォリティーの問題もあります。スケジュール的にいささか無理があり、気力だけではカバーしきれなかったという感じです。定期会員の方でわざわざ北京の演奏会を聴きにいらした方が、「ばらばらでしたね。」という感想を漏らしたと聞きました。とても残念ですが仕方ないかなという感想です。
 私たちから言うと大所高所にたった見地から今回の演奏会がどういう意味があるにしろ、とにかく疲れる演奏旅行だったとしか言えません。ただ一つ収穫があったとすると、それは中国のヴァイタリティーを肌で感じたことです。これからの国の持つ勢いというものを肌で感じさせられました。昔の日本もこの勢いがあったのでしょうが、今の妙に収まり返った日本には中国の持つ勢いが忘れられていると思います。

 帰りの飛行機で機内食が出たころ気流の悪いところにさしかかり飲み物がこぼれるところまではいきませんでしたがかなり左右にゆすられました。今は日本時間でほぼ午後2時です。後45分位で成田到着です。今回は日数の割にとても疲れました。今回の旅行のライブレポートもこれで終わりです。明日からはいつものページに戻ります。今14:05ですが窓から富士山が見えるそうです。(私はF席ですのでなんの景色も見えません。でも日本上空に着くとほっとします。)


11.30

 いよいよ今回の中国旅行も最後になりました。今日は午前中に玉佛禅寺に行きました。翡翠のとても妖艶な釈迦牟尼佛を展示してあるので、一見の価値があると原副理事長に薦められて(朝食堂でご一緒させていただきました。)、4人でタクシーに乗っていきました。こちらは道を横断するのも怖いです。私もバイクにはねられそうになりました。FinePix700を持っていったのですが、バッテリーを充電していてそのままにしていってしまったので、写真は撮れませんでした。(もっともご本尊は撮影禁止ですが。)この佛様はさすがに素晴らしいもので、わざわざ出かけた価値がありました。またこれを展示してある場所だけはこの寺の他の部分からかけ離れた静寂の世界でした。境内はとにかく物すごい人出で皆おじいさんおばあさんなのですが、そのバイタリティーのすごいこと、あおられてしまいます。皆銀紙を折ったものを手に持っていました。(日本の千羽鶴のようなものなのでしょうか?)先程ホテルに戻ってきましたが、ちょっと1時間くらい出かけただけなのにあまりの人の多さに疲れました。
 上海は表通りと裏通りで全然違う表情を見せるようです。ちょっとした横丁を入ると日本でいうボロ市とかアメ横のような人出が見られ、圧倒されます。大阪に似ていると言っている人がいました。私はお土産をカードで買ったせいもあって、中国に入った時もらった1万円分の中国元がまだ1/3くらい残っています。
 これから食事をして少し昼寝をしてから会場に行きます。竹森さん(演奏業務部長)の話ではヨーロッパのオペラハウスのような会場だということです。昨日は良い天気だったのに、昨日の夕方から小雨が降り始め今日も時雨模様です。お寺に行くときホテルから傘を借りましたが、使いませんでした。でも道は濡れています。(11:30)

 上海公演も無事終了しました。会場練習の時はなんと弾きにくいホールだろうと思ったのですが、本番最中には何となくNHKホールと同じような響きの感じがして不思議な気分になりました。今日の会場上海大劇院というホールは、外見も変わっています。残念ながら外見の写真は撮りそこないました。中はやたら大きいという印象が第一です。
 後でティンパニーの久保さんがご自分のデジカメでとられた会場の外観の画像を送って下さったのでここにそれを追加します。

 

 今日の会場は外見はとても立派ですが、響きは他のパートがとても聞きにくいです。今回の中国旅行は前回のオーチャード定期から引き続いての休みなしの北京での練習から始まったので、こちらは疲れがたまったまま響きのつかめない北京のホールでの練習で物すごく疲れました。もっとスケジュールを考えて欲しいです。(もともと定期が入っていたところに無理やりこの中国公演を突っ込んだのでこういうことになったのです。)はっきり言って私たちから見るととても不本意な出来です。いろいろなところで評判が良かったなどといわれても私にはとても信じられません。(パーフォーマンスとしては良いとしても音楽的には納得できません。)たった2回の公演なのに信じられないほど疲れました。(いつも本番の後でも外に食べに行く人の多いN響のメンバーが今日ばかりはホテルのコーヒーハウスで済ます人が圧倒的に多いことからも分かります。)まあ今日の方が北京の時よりは演奏は良かったとは思いますが、せっかくやる公演ならもっとスケジュールを考えて良い演奏を心がけるべきでしょう。
 昨日上海について夜上海ガニを食べに行った人の中に、ホテルに戻った時にあたった人がいたようです。前からカニは気をつけた方が良いとは言われていましたが、実際にあたった人がいたのにはびっくりしました。中にはカニやエビの刺し身を食べて平気な人もいますから体調も影響しているのでしょうが、旅行中は水も変わるし、衛生状態も変わるし、体調も不十分ですから気をつけるべきなのかも知れません。
 明日はいよいよ帰国です。何でも良いから早く帰りたいというのが本音です。今日あたり皆すごくいらいらしているのがとてもよく分かりました。


11.29

 今日は上海への移動日です。この時期の北京空港は霧で飛行機がちゃんと飛ばないことがあるというので、上海への移動に1日余裕をとったからこういう予定になったのです。実際はとても良い天気で穏やかな飛行でしたが。北京から上海に着いたらなんと外気温が摂氏21度ということで北京とのあまりの違いに面食らいました。また街の様子が全然違います。上海は経済の中心というだけあって、街の活気が北京とは全然違います。交通は北京は一言で言って無秩序に見えましたが、上海はずっと洗練されています。日本人の神経では信じられないような交通秩序ですが、それでも一応暗黙の了解の元に動いているようです。(でもこの町で自分で運転したいとはとても思いません。事故が起こって当然としか思えません。)

 ところで今日のホテルは花園飯店というオークラ系のホテルで、昨日までとは全然違います。部屋もとても立派です。窓に面してライティングデスクがおいてあり、そこにPowerbookを置いていますが快適な環境です。今日はここに着いてからいろいろお土産を買って5時過ぎから上海ガニを食べに外に出ました。とても美味しかったです。北京では夜あまりよく寝られなかったので、これから睡眠不足を解消します。

 これは私の部屋から見た上海の夜景です。Photoshopでかなり細工しているので、実際よりかなり明るくなってはいます。でもほぼこのように見えます。いよいよ明日は上海での演奏会です。

 上海のインターネット事情はとても悪いようで、ビジーが多くやっと接続できても全然スピードが出ません。明日の朝になってからアップします。(22:30)


11.28

 いよいよ北京での演奏会です。演奏会には要人が何人も来るようで、警備がとても厳しいです。同じ東洋人であっても日本人と中国人とは感覚が全然違います。今日のゲネプロでもそれが出ていました。日本ではゲネプロの時など客席にいる人は絶対に騒がないものですが、こちらではテレビ局のカメラマンとかの人たちが身に着けているイヤホンからとても大きい音でディレクターからの注文が聞こえてくるのです。(もっともホールでの会場練習でも程度の違いこそあれ同じようなことは起こっています。テレビ局の人はどこでも大なり小なり似ているのでしょうか。放送が主役なのではなく演奏が主役だと思うのですが、この点についてはいつも問題になります。)また舞台袖で大きい声で話をしたり。まあクラシック音楽に馴れていないというだけなのかも知れませんが、我々にとって抵抗があることは確かです。
 今日の演奏会は入場料が300元近いそうですが、普通の演奏会は70〜80元だそうですから、4倍近い値段な訳です。それでもかなりの入場人員でしたから、とても注目されている演奏会であるようです。そういう現象と演奏会での反応という部分は私にはいささか矛盾しているようにしか見えませんでした。というのはラフマニノフの3番でもペトルーシュカでも静かなところになると客席の緊張の糸が切れているのです。こちらのオーケストラも静かな曲をやるときはさぞ大変だろうなと想像します。

 北京に来て4日目ですからこちらの気候にも馴れてきました。ただ困るのはこちらの人は自分の開けた扉を自分でちゃんと閉めるという習慣がないので、ホールのスタッフが出入りすると必ず開けっ放しになり寒くなったり風が通り抜けたりで弾いていて困ることが多いです。本番中も袖から風が吹いてきて譜面がめくれるのです。こちらのオケの方はそういうものだと思って注文を付けないのでこのまま放ってあるのでしょうが、演奏上とても困ります。こういう点はもっと周りの方に協力してもらわなければ良い演奏会など出来ません。

 今日のソリスト小山さんはピアノの状態と奮闘されていました。本番の時には昨日の練習の時とは見違えるほど良い状態になっていました。

 

 右の写真は本番前の舞台です。26日の舞台の写真と較べると花が飾られているのが分かると思います。舞台袖には高さの高い花束が両側にあり、演奏会が終わったときに中央に持ってこられました。今日の演奏会でいちばん受けたのはアンコールに弾いたラプソディーでした。

 明日はいよいよ上海に行きます。今回の中国旅行も半分以上は終わりました。


11.27

 今日も演奏会場であるホテルの隣の世紀劇場での練習でした。オーチャード定期からずっと続いているのでいい加減疲れていらいらしています。ホテルもこちら(北京のホテル紹介の記事)の基準で言うと3流という評価しか与えられていないホテルですが、ホテル側は一生懸命やっていることは分かります。今日は割と温かい一日でしたので助かりました。朝から昨日に比べるとずっと天気が良く気温も上がっていました。明日はいよいよ本番です。
 練習後近くの中国料理店に食べに行きました。言葉が全然通じないのですがメニューに英語の解説がついていたのでそれを頼りにいろいろ頼みました。腹いっぱい食べて1人当たり77元という会計でした。日本円でいうと1200円足らずというところです。信じられないくらい安いです。味付けはとても辛かったのでどうも四川料理のようでした。でもとても美味しかったです。
 昨日の練習後なんと万里の長城まで行った人たちがいたそうです。ホテルからタクシーで往復で1万円強で行けたようです。京劇を見に行った人もいるようで、昨日はそれぞれに楽しい一日を過ごしたようです。(今朝の朝食の時皆それぞれに昨日の成果を話していました。)

 ところで今回の北京でのマイルームです。

 一応ツインのシングルユースなのですが、いささかわびしいものがあります。どんなにゴキブリの運動会が見られるにしてもそれなりに滞在を楽しんでいます。テレビで衛星放送1チャンネルが見られるのは安心します。北京滞在も半分が終わり後は本番が終わるのを待つばかりです。インターネットとの通信は枕元の電話機のジャックを抜いてモデムカードにつないで使っています。通信速度は26400くらいに表示されますが、体感的にもそんなものかそれより幾分遅く感じます。でもメールも読めるしホームページのアップロードも我慢すれば十分できます。19年前とは隔世の感があります。(当たり前ですね。)ではお休みなさい。


11.26

 今日は北京での練習初日です。昨日夜遅く着いたので疲れがとれない上に眠かったです。今日の練習は演奏会会場の世紀劇場で行われました。ホテルのすぐ隣にある会場です。前回(といっても19年前)来たときは料理がとても美味しかったので今回も期待していたのですが、今回は外れでした。写真は朝食会場です。

 今回は日中友好の関連行事の最後を飾る演奏会のようで、沢山の要人が来られるそうです。今回の演奏会の入場料は普段の演奏会の何倍もするということでした。
 下の左側が会場です。左側のタワーは私たちの泊まっているホテルです。右側は中央に立っている2人がデュトワ先生とコンサートマスターの堀さんです。

 

 

 会場の響きは弾いている側では特に変わった印象はありませんでした。ペトルーシュカという曲のせいもあるのでしょうがステージの上はとても狭いです。今回の呼び物は中国の若い女性作曲家陳さんの曲でしょう。どういう経歴の方かは寡聞にして存じ上げません。ペトルーシュカは久しぶりに弾きます。
 北京はやはりかなり寒いです。ホテルの部屋は暑いくらいですから良いのですが、ホテルから会場までのこんなに近い距離でも外に出るとしっかり冷やされます。この時期の東京での服装に更に下着を1枚、コートをもう一段厚手の物にしても外に出ると寒いです。外に食べ歩きに出るのはやめました。(17:25)


11.25

 今中国に向かう飛行機の中です。定刻18:50発のUnitedAirlineです。昨日の演奏会から続いての演奏旅行なので、特に感慨はないですが妙にせわしない感じです。朝から何度もかばんに荷物を詰め直したりで、すぐ時間が経ってしまいました。私は生徒さんに車で成田まで送っていただいたので家から40分もかからずに成田に着きました。京成でもJRでも1時間半近くかかることを考えるととても有り難いです。今まで恒例だった事前の説明会が今回はないので、情報だけが妙に先回りしていて本当のところが分からずいささか不安です。北京まで3時間くらいですが、もうすぐ機内食の夕食が出るでしょう。外はすっかり暗くなっていて窓から見ても何も見えません。(私は幸運にも窓際の席です。)だんだん美味しそうな匂いがしてきています。ホテルについてインターネットがちゃんと使えたらアップロードします。(19:50)

 ホテルに着いたのがこちらの時間で11時過ぎですから、日本時間では午前0時です。インターネットにつないでみたらメールが読めたので安心しました。こちらは前評判ほど寒さは感じませんでした。でもそこらじゅうに雪が残っています。ホテルの部屋がエアコンがとてもよく効いていて暑いくらいです。夜も遅いので写真を撮ってもきれいに写らないようです。1枚だけ北京空港の夜景です。空港からホテルへのバスに乗るとき撮ったものです。

 泊まっているホテルは二十一世紀飯店という名前だけは立派なホテルですが、中見は大したことのないホテルです。噂ほどひどいわけでもないですが、この次は泊まりたくないというホテルです。少なくとも4つ星クラスのホテルに泊まりたいです。同じ意味でUnitedAirlineももう結構ですという感じです。明日からいよいよ練習が始まります。今日はもう寝ます。(北京時間で01:00)


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